雪林檎のブログ

認知症の母と障害者の姉と、そして離れて暮らす妹のわたし

母について

今日は少し時間があるので、

母について少し書きます。


母が病気になる前、どんな人だったか。


わたしから見た母は、

子どもの頃はそれなりに厳しく、

叱られた事もありましたが、

基本的には優しく、

家庭的な人でした。


厳しかったのは、わたしたちをちゃんと育てないと、という思いからだったと、自分が親になってわかります。


遊ぶ事には財布の紐は固かったけれど、

本だったり、勉強や習い事に関しては、

やりくりしてお金を出してくれる人でした。

父は会社員で、決して裕福だった訳ではなく、普通の家庭でした。



父に関しては、

真面目な会社員ではあったけれど、

外面がよく酒飲みで、ヘビースモーカーで、

酒が入ると人が変わり、

わたしとは相性が良くありませんでした。

いわゆる昭和の父で、

家庭の事はほったらかしな事が多く、

亭主関白だったと思います。

それでも転勤族で地方勤務だった時は、

それなりに遊んでくれたりもしました。


母は、社交的な父とは対照的で、

どちらかと言えば大人しく、

周りに気を使う謙虚な人でした。

周りの人に迷惑をかけたり、

意地悪な事をしたりする事は絶対してはいけないと思っていて、

たとえ自分がそうされても、

我慢強く耐えているような人でした。


それでも、出身は関西で、

基本的には明るい人だったと思います。


そんな母が、認知症を患い、

全く別人になりました。


本人が、一番辛いはず。


少し前、姉の病院に付き添った時、


お母さん、どんどん変わってしまうけど、

本当は優しいお母さんだったよね、

本当のお母さんの事、忘れないでいようね、


と話しました。


姉はぽろぽろ涙を流し、

車を運転しながらわたしも涙ぐみ、


認知症はなんて残酷な病気だろう、

わたしたちは、何も悪いことをしていないのに、

お父さん、なんで先に死んでしまったんだ、

一体どうしたらいいのだろう…



途方に暮れました。